あおり運転を厳罰化した6月の改正道路交通法施行後、全国で初めて逮捕され、道交法違反(あおり運転・著しい危険)などの罪に問われた住所不定、無職三浦貴正被告(47)に大分地裁は1日、懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役2年6月)を言い渡した。 【画像】あおり運転に遭った際の3つの対応策 判決理由で、有賀貞博裁判官は「運転はより重大な事故を引き起こしかねない危険なもの。被害者の受けた恐怖感は多大」と指摘。被告が今後運転しないと述べていることなどから執行猶予付きとした。三浦被告は公判で「前方の車がヘッドライトをつけずに走行しており、怒りが湧いた」と述べ、怒りを抑えられない性格を「諦めている部分があった」と語っていた。 判決によると、7月10日午後10時ごろ、大分県別府市の国道10号で約2・8キロにわたって軽乗用車で前方の男性の車をあおり、無理に割り込み接触事故を起こした。その後、男性の肩や首をつかんで引っ張り「包丁で刺すぞ」と脅した。
東名事故の遺族「運転手自覚を」
あおり運転厳罰化のきっかけになった2017年6月の東名高速道路の事故で、三男夫婦を亡くした静岡市の萩山文子さん(80)は「法律が改正され、罰則が強化されてもあおり運転はなくなっていない」と悔しさを口にした。 事故は、三男=当時(45)=一家のワゴン車が後続車にあおり運転を繰り返され、追い越し車線上に停止。大型トラックが追突し三男と妻=同(39)=が死亡した。運転手は自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)罪などで起訴され、公判中だ。萩山さんは「息子たちのような犠牲者を出さないよう、運転手一人一人が自覚してほしい」と訴えた。 あおり運転の加害者にならないためには、怒りの感情を制することが重要。一般社団法人「日本アンガーマネジメント協会」講師、村上隆昭さん(50)=北九州市=は「あおり運転は、運転中に自分の意に沿わないことをされて怒り『やられたらやり返す』という報復心や独り善がりの正義感で起こることが多い」と指摘する。もし怒りを感じたら、6秒間待って怒りを自覚する▽家族の写真を車の中に置く-などの方法を挙げ、「普段からストレスをためない心掛けも大切」と語った。 (井中恵仁)
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