深津弘
岐阜市の「Y&M 藤掛第一病院」で2018年8月、エアコンの故障した部屋にいた80代の入院患者5人が相次ぎ死亡した問題で、業務上過失致死の疑いで書類送検された同院の男性院長(71)について、岐阜地検は23日、不起訴処分とし、発表した。「犯罪を証明できるに足りる十分な証拠が得られなかった」としている。
同院では、同年8月20日に3、4階のエアコンが故障し、入院していた83~85歳(当時)の男女4人が26日夜~27日午前に死亡。28日には、前日に冷房の利く階に移った男性患者(当時84)が死亡した。気象庁によると、岐阜市では同20日以降、最高気温が30度以上の真夏日が続いた。26、27日は35度以上の猛暑日だった。
岐阜県警は、エアコンが故障した際、入院患者が熱中症などに陥ることが予見できたにもかかわらず、必要な業務上の処置を怠り、死亡を回避させなかった疑いがあるとして、今年3月に院長を書類送検した。
同院は5人の死因をいずれも病死と診断。院長は当時、「故障したエアコンの修理を業者に頼んだが約1カ月かかると言われ、扇風機を出して対処した」などと説明し、エアコンの故障と死亡の因果関係を否定していた。
院長は「適切に捜査をしていただいた結果だと受け止めております」とのコメントを出した。(深津弘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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