東京都町田市で昨年11月、市立小学校6年の女子児童(当時12)がいじめを訴える遺書を残して自殺した問題で、女子児童の遺族側が入手した資料の中に、学校配布のタブレット端末を使った具体的な悪口の書き込み方法などに関する児童らの証言が記されていたことが分かった。
女子児童が通っていた小学校での端末の管理をめぐっては、当初端末のIDが出席番号などに設定され、パスワードが同一だったことが明らかになっており、文部科学省は「不適切だった」と市教育委員会を指導している。資料からは、端末管理が徹底されていなかった実態が改めて浮き彫りになった。
両親の代理人弁護士によると、資料は市教委が遺族側に開示したもので、女子児童の自殺後の昨年12月、学校が同級生らに聞き取りをした際のやりとりが記入されている。
端末で悪口を書いた方法についての聞き取りに対し、「先生が画面を見られないような状態の時に、素早くやっていた」などと答えたほか、端末を操作して画面を切り替えてチャットが見られない状態にするなど、教員の目をかいくぐってチャットへの書き込みがされていた具体的な様子が分かる。
一方、不正ログインの実態についても記載があった。複数の児童が他人のアカウントでログインし、チャットの中身を確認しようとしたと証言。「チャットに(女子児童への)悪口が書かれているとうわさで聞き、本当かどうか確かめるためだった」などと説明している。また、昨年9月にチャットで悪口を確認したという児童は、その内容を女子児童本人に伝えていたという。
市教委によると、昨年11月の女子児童の自殺後、12月初旬から学校で教員が児童に聞き取り調査を実施。その際、女子児童が自殺したことは両親の要望で伏せていたという。この調査について市教委は「ご遺族側にも一定の説明はしている」としている。
この問題をめぐっては、今年2月、市教委がいじめ防止対策推進法の「重大事態」にあたるとし、3月から常設のいじめ問題対策委員会で調査をしてきたが、同市の石阪丈一市長が今月22日、弁護士や有識者らによる新たな第三者委員会を立ち上げて再調査する方針を示している。(前川浩之)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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