悪質なホストクラブが問題視されるなか、警察庁の露木康浩長官が27日夜、東京・新宿の歌舞伎町を視察した。警察庁長官による繁華街の視察は異例という。視察後、露木長官は取材に「卑劣で悪質な営業手法に対しては、徹底的にあらゆる法令を駆使して取り締まりをする」と述べた。
この日、露木長官は午後6時半ごろに歌舞伎町交番前を出発。新宿区内に約300店舗あるホストクラブの大半が集中する歌舞伎町の繁華街を、約30分かけて歩いて回った。普段は売春の客待ちをする女性が目立つ大久保公園周辺にも立ち寄った。
ホストクラブをめぐっては、若い女性客が支払い能力を超える高額な「売掛金(ツケ)」を背負い、売春をさせられるケースが問題となり、国会でも議論になっている。大久保公園周辺で売春目的で客待ちをしていた女性の多くが警視庁に対し、ホスト通いを理由に挙げた。警察庁によると、今年1~10月、女性に売春させるなどして3人のホストが検挙された。
警察庁は悪質なホストクラブの背後に、SNSなどで緩く結びついて違法な資金獲得活動をする「匿名・流動型犯罪グループ」が存在する可能性があると指摘。全国的な問題だとして、都道府県警察をあげて取り締まりを強化するとした。(板倉大地)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル