2025年の大学入学共通テストから、科目「情報Ⅰ」が導入される。高校の担当教員からは「教員の採用が増えるなど、教育環境の充実につながる」との期待が寄せられる。一方、教える体制の地域格差の大きさや、受験する生徒の負担の重さを懸念する声は依然として少なくない。東北大の調査でも、各地の高校から「体制が整っていない」など多岐にわたる問題点が寄せられていた。
「教育環境充実のてこに」
「情報Ⅰが入試に出れば、教育環境が充実する『てこ』になる」と歓迎するのは都立高校の情報科教員だ。情報科は03年度から必修化されたが、教える体制の整備が進んでいない。別の都立高校の教員も「各地の教育委員会も専門の教員をさらに採用するだろうし、教材も充実するはずだ」と期待する。
だが、問題視されているのは指導体制だ。文部科学省によると、昨年5月1日現在の担当教員計4756人のうち、情報の正規免許を持たず別の教科の免許を持つ「免許外教科担任」が560人、正規免許を持つ教員を採用できないときに期限付きで発行される「臨時免許状」を持つ教員は236人。合わせて796人と全体の17%が情報の正規免許のない教員だった。
地域格差も大きい。情報の正規免許のない教員が76人と全国最多なのは長野県だ=グラフ。76人は全員が免許外教科担任だ。
■問題集買って解く先生…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル