情報公開の力、専門家に自覚させた28年前の記者の質問

 政府や自治体が持つさまざまな情報の公開を求めてきたNPO法人「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長(47)。情報公開の世界で長く活躍してきた専門家は、大学生のときに記者から受けた質問をきっかけに、情報公開制度の力を強く自覚するようになった。

 1972年生まれ。大学卒業後、「情報公開法を求める市民運動」のスタッフになる。99年に「情報公開クリアリングハウス」の室長、2011年から現職。共編著に「社会の『見える化』をどう実現するか」。

 情報公開クリアリングハウスは1999年の情報公開法成立を受けて発足。情報公開や公文書管理などの制度運用や政策の課題を調べて提言や発信をし、情報公開を求める人の相談にも乗っている。

 最近は、政府の新型コロナウイルス対応に関する情報の開示請求をしている。「まず政治プロセスがどこまで記録に残されているのかの実態をつかみ、可視化することが大事だと考えています」。今月に入り、各都道府県がコロナ対応でどんな記録を残しているかを調べるプロジェクトも立ち上げ、HPで参加者を募っている。

 三木さんが自分で初めて情報公開請求をしたのは28年前、横浜市立大1年のときだった。「大学入試センター試験を含む自分の入試得点と答案」を開示するよう、市条例に基づいて市に求めた。手続き後、市役所内での記者会見でこう聞かれた。

 「何で合格したのに知りたいの…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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