惜別と遺志継承を誓い涙…福岡で中村哲医師の合同葬 各界から供花続々(西日本新聞)

 アフガニスタンで4日に凶弾に倒れた福岡市の非政府組織(NGO)「ペシャワール会」現地代表の医師中村哲さん(73)の告別式が11日午後、福岡市中央区の斎場で営まれた。戦乱や干ばつで荒廃したパキスタンやアフガンで、多くの市民とともに人道・復興支援の歩みを進めた中村さん。その死を悼んで泣きはらす人や、涙を拭って遺志の継承を誓う人など大勢の人々が訪れ、白い花を手向けた。家族と同会による合同葬で、喪主は長男健さん(36)、葬儀委員長を同会の村上優会長(70)が務めた。

【写真】作業現場でカメラを構える中村哲医師 護衛が常に付き添っている=2014年、アフガニスタン

 祭壇には、数年前に現地で撮影された中村さんの遺影が白い菊の花に囲まれて飾られ、遺体を安置した棺にはアフガニスタンの国旗がかけられていた。祭壇には、中村さんとともに殉職した警備担当者や運転手らアフガン人の遺影も飾られた。会場の壁や入り口付近には、女優の黒柳徹子さんや歌手の加藤登紀子さん、俳優の故菅原文太さんの妻をはじめ、各界から届いた100基を超す供花が並んだ。同会は、参列者からの香典の一部をアフガン復興事業に充てるという。

 中村さんは1946年、福岡市生まれ。福岡高、九州大医学部卒。84年5月に現地で医療活動を開始し、アフガン、パキスタン両国に病院や診療所を開設。アフガンで2000年に大干ばつが発生してからは、水源確保のため井戸の掘削や復旧、農業用水のかんがい事業にも取り組んだ。

 03年に「アジアのノーベル賞」と呼ばれるマグサイサイ賞を受賞。18年にはアフガン政府から勲章を授与され、今年10月には同政府から名誉市民権(市民証)を授与された。

 中村さんは今月4日、アフガン東部ナンガルハル州ジャララバードの宿舎から、かんがい作業の現場に車で向かう途中に襲撃された。

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Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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