東海テレビ
愛知県の海部福祉相談センターの職員が高齢男性を公園に置き去りにした問題。愛知県は「担当した職員の人権意識や責任感が欠けていた」などとする検証報告をまとめました。
海部福祉相談センターの複数の職員は今年1月、保護した高齢男性の受け入れ先が見つからなかったことから公園に置き去りにし、事実を隠ぺいするため、警察に「男性を見失った」と嘘の説明をしていました。
愛知県は31日、検証報告を公表し、職員の人権意識や責任感が欠けていたことや、組織的な対応ができていなかったことなどを問題点に挙げました。
愛知県福祉局福祉部 橋本礼子部長:
「言うまでもなく人権意識の欠如、安全配慮に関する意識の不足といった課題がございます」
県は、職員に対し人権に関する研修を実施するほか、受け入れ施設をリスト化するなどの再発防止策を講じるとしています。
問題の経緯は次の通りです。
まず、今年1月17日に愛知県大治町内で警察に保護された身元不明の高齢男性が、午後9時過ぎに海部福祉相談センターの職員2人に引き継がれます。
その後、職員は民間の保護施設など受け入れ先を探しますが見つからず。男性の体調が悪いため救急車が呼ばれますが、「搬送の必要ない」と拒否されてしまいます。
そこで、エリアを変えれば消防が対応してくれるかも…と考えた上司の指示で、32人は名古屋市中村区の公園に移動。18日午前0時過ぎに偽名で119番通報し、男性を置き去りにして現場を離れました。
今回、海部福祉相談センター職員らが行ったことは、検証報告でも「非人道的な行動」と厳しく指弾しています。
県は再発防止策として、今回の問題を受けて初めてマニュアルを作りました。そのマニュアルでは、民間の受け入れ施設や医療機関などに断られてしまった場合には、緊急避難的な措置として、センターの庁舎つまり役所で保護すると定めています。
置き去りにされた男性は、現在も意識不明の状態が続いていて、今回のケースも庁舎で一時的にでも受け入れていれば、ここまで深刻な状態にはならなかったのではないかとも考えられます。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース