幕末に活躍した新選組の副長土方歳三の遺物などを展示する「土方歳三資料館」(東京都日野市)が、今月末から長期休館することになった。歳三の生家の一角で、伝来の刀や手紙などを、子孫が30年近く週末を中心に展示してきた。史料整理に取り組みたいという主(あるじ)の意向に加え、沸騰した人気が運営上の負担になったことも理由だという。
人気ぶりは開館日の様子に現れていた。今月5、6日の2日間の来訪者は計約1700人。付近には長蛇の列ができ、入館まで3時間待った人もいた。
展示されているのは歳三の愛刀・和泉守兼定(いずみのかみかねさだ)の拵(こしら)えや、新選組が尊王攘夷(じょうい)派の志士を襲撃した「池田屋事件」で、歳三が身につけた防具の鎖帷子(くさりかたびら)、直筆の手紙や句集など約70点。かつては「賊軍」とのそしりも受けたが、館長で歳三の兄の子孫に当たる土方愛(めぐみ)さんは「幕末から150年経って、ようやく人々は歴史を両側から見るようになったと思います」。
開館は1994年。愛さんの父は歳三の兄から数えて5代目の子孫で、史料を見たいと訪ねてくる人たちがいることを踏まえ、資料館を開く意思を持っていた。ところが実現を果たせぬまま、急死。その遺志を継いだ母が開館した。愛さんは母を支え、2012年以降は館長を務めてきた。
ただ個人で資料館を維持する…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル