熊本県を中心に九州を記録的な豪雨が襲い、70人以上が死亡した災害から18日で2週間。被害が集中する熊本県南部を流れる球磨川流域には、いまも道が寸断されて孤立状態の集落が残る。家電もなく食料も限られ、厳しい生活を送る集落に記者が入った。
芦北町中心部から東に20キロ弱。球磨川中流に沿って通る県道を下流へ向かうと、道路は約40メートルにわたって崩落していた。
集落へは、県道と並行して山側に敷かれたJR肥薩線の線路上をたどるしかない。豪雨で不通となった線路の枕木を踏み、真っ暗な200メートル近いトンネルを抜けると、白石集落が見えた。21世帯50人の住人の約半数が被災後もここにとどまっている。
土砂や泥が積もった県道には、横転した車や、逆立ちしたような車が折り重なったまま。濁流で流された直後のような光景が広がっていた。
拡大する白石地区の道路では、車が濁流に流されたままだった=2020年7月17日、熊本県芦北町、藤脇正真撮影
道路脇には、泥にまみれた冷蔵庫や洗濯機、ラッキョウや梅干しをつけた瓶、水を含んでたわんだ畳などが積み上がり、傷んだ食べ物や、漏れ出た燃料のような臭いが漂う。
家々の壁や戸板には白いカビが浮き始めていた。
拡大する白石集落では、濁流に流された車やバイクの撤去も進んでいない=2020年7月17日、熊本県芦北町、藤脇正真撮影
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル