美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らによる愛知県の大村秀章知事へのリコール署名で8割に無効の疑いがある問題で、県選挙管理委員会は15日、地方自治法違反容疑で被疑者不詳で愛知県警に刑事告発し、発表した。
県選管は同日、臨時の会議を開き、「大量の署名偽造行為が行われていたとすれば民主主義の根幹を揺るがすことにつながりかねず、看過できない」と告発することを決めた。告発状は県警捜査2課が受理した。
大村氏は同日の記者会見で「誰かが指示し組織的にやったと疑わざるを得ない。捜査当局の手で徹底的な真相解明をお願いする」と述べた。高須氏と署名活動を支援した名古屋市の河村たかし市長らを名指しし、「説明責任を果たして頂きたい」とも述べた。
河村氏も同日、報道陣の取材に応じ「市長としても告発せざるをえない」と自らも刑事告発する考えを示した。また、県選管の依頼で署名を調査した同市選管に対し、8割を無効としたことについて「説明してもらわないといかん」と市監査委員に監査要求することも表明した。
名古屋市議会では2月定例会が開会する18日、全会派同意で署名問題の真相究明を求める決議案が出される予定。自民を中心に河村氏の責任を追及する構えだ。
署名は今月、43万5千筆のうち約83%が同一筆跡などの無効の疑いがあると県選管が公表。署名活動を主導した高須氏は記者会見し、「不正を指示したり黙認したりするわけがない」と関与を否定している。(小林圭、藤田大道、山下寛久)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル