愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ」で中止となっていた企画展「表現の不自由展・その後」の展示が8日午後、再開した。同展は同日、定員30人による2回の鑑賞(午後2時10分~3時10分と午後4時20分~5時)となるが、批判を集めた昭和天皇の肖像画を燃やすような動画は2回目のみとなる。多額の公金を投入した芸術祭に、政治的偏りのある作品が並ぶことに対する不満は現在もくすぶり続けている。
芸術祭が8月1日に開幕した後、不自由展への抗議が殺到した。脅迫やテロ予告と受け取れるような内容のものもあったため、芸術祭実行委員会の会長を務める愛知県の大村秀章知事が同月3日、不自由展の中止を発表した。
愛知県が設置した検証委員会は9月25日に発表した中間報告で、リスク回避策や展示方法の改善など条件が整い次第「すみやかに再開すべきだ」と提言。その後、再開で合意した芸術祭と不自由展の実行委が協議を進め、大村知事が今月7日、企画展を8日から再開することを発表した。
再開にあたっては、さまざまな対策が取られた。電話による抗議や警備面での対策を強化したほか、入場を抽選方式にして1回あたり30人と絞り込み、事前の教育プログラムやガイドツアーを行うことにした。さらに手荷物を預かり、金属探知機による検査も実施。動画撮影も禁止とした。
一方で、愛知県と名古屋市が8億円超を支出した公的イベントで、一方的な政治的主張を含む作品が公開されることへの不満は根強い。芸術祭実行委の会長代行を務める名古屋市の河村たかし市長が不満を表明。再開を提言した検証委の中間報告が発表された後、1日200件近い抗議電話が県や芸術祭実行委に寄せられており、さらなる混乱が起きる恐れもある。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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