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政府は31日、専門家を交えた新型コロナの対策分科会を開きました。分科会では、感染状況を『散発』『漸増(ぜんぞう)』『急増』『爆発』の4段階に分けました。現在、東京都や大阪府は、医療提供体制の負荷が蓄積しつつある『漸増』段階にいるといいます。ただ、分科会では、どういった指標が出ると段階が変わるのか、具体的な数値は示されませんでした。 ◆感染症学が専門の大東文化大学・中島一敏教授に聞きます。 ※具体的な数値の指標がなかったことについて
中島教授:「数値の指標は、あるとわかりやすい半面、数字が独り歩きすることが心配です。各都道府県によって、医療体制の状況が違っていて、実情に合わない指標というのは、地域の混乱を招く可能性があります。地域の対策を推進する一方で、全体の目安となる指標を作るというのは、時間がかかると思います。国が指標を出さないから、各都道府県の対策が進まないということが起こってはいけないです。感染症の発生というのは、地域ごとで違った動きをします。地域ごとの対策は、国からの指標を待って行うというのではなく、地域の実情に合わせた対策が進んでいくことが本質だと思います」 7月に入って各地で感染者が急増していますが、最近の傾向を人口比で見ると、東京都と同じか、それ以上の増え方をしている県もあります。 ※各地への感染の広がりについて
中島教授:「沖縄県の患者数の増加、勢いが目立っていて心配です。同じ勢いで増えていくと早く限界に来る。その一方で、多い患者発生数が長く続いている東京ですが、急激な増加ではないですが、医療機関への負担は確実に増えている。勢いを減らして、患者数を減らすことが大事になってきます。多くの地域での発生はクラスター。それをわかっている時は、それを抑え込むことが大事ですけど、それが多面的になって、一つのクラスターから広がっていくと、“点”から“面”対策が必要となります。“面”というのは、広い地域ごとや職種ごとなど、感染抑制をかけていくことが大事となってきます」 ※県をまたいでの移動について
中島教授:「流行している地域からの移動に伴ってウイルスが持ち込まれる、運ばれる可能性がありますから、対策上は望ましくない。その一方で、移動するだけで感染するわけではなく、その先の人と人との接触で、感染することが多い。どうしても移動が避けられない場合、その先の感染予防が大事です。“3密”を避ける、距離を取る、マスクをする。これらを、きちんと実行していくことが基本となります」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース