東京の新型コロナウイルス感染者数が増加を続け、医師会や関係者からは早期の「緊急事態宣言」を望む声が広がっている。
今回の放送では、「感染爆発」を防ぐために必要な政策、そして治療薬・ワクチン開発の現状まで、感染症の専門家を交えて掘り下げた。
さらなる一斉休校の措置は必要なのか?
長野美郷キャスター:
4月1日に政府専門家会議が開かれました。主な内容は「オーバーシュート前に医療現場が機能不全に陥る予想」「東京・神奈川・愛知・大阪・兵庫で医療提供体制が逼迫」「感染者大幅増加地域では期間を決めた外出自粛、イベント参加を避ける対応を」「感染拡大地域では一斉休校も選択肢」。
反町理キャスター:
専門家会議では、子どもは感染拡大を牽引しているわけではない、感染の舞台は学校よりも家庭内が多いと言っている。一方で一斉休校も選択肢に入れるというのは、矛盾があるのでは?
松本哲哉 国際医療福祉大学医学部 主任教授:
一部報告されてはいるが、しかしお子さんの重症化例は高齢者より圧倒的に少ない。しかし学校が感染拡大の場となってしまうということはある。一斉休校か否かという判断は、ひとつの選択肢にはなる。
増田道明 獨協医科大学 微生物学講座 教授:
必ずしも矛盾していない。確かに従来の感染拡大では、子どもから子どもではなく家庭内で感染する例が多い。しかし今後感染者が増加すれば、お子さんが家庭で感染するリスクが増す。子どもが集まれば子どもから子ども、子供から教員などの大人と、ひとつのクラスターが学校内で形成される可能性がある。
「オーバーシュート前に医療崩壊」の意味
反町理キャスター:
「オーバーシュートが起きる前に医療現場が機能不全に陥る予想」という意味は?
増田道明 獨協医科大学 微生物学講座 教授:
このグラフ上でオーバーシュートを考えると、ひとつは山の立ち上がりが早い場合、もうひとつは医療対応限界が下がること。後者の場合、院内感染や風評被害で医療が医療不全に陥った結果、オーバーシュートが起こるように見える。
反町理キャスター:
医療崩壊の原因として、患者が増えることと、医療サービスの量が減ることが挙げられる。現在はどちらが迫っている?
松本哲哉 国際医療福祉大学医学部 主任教授:
今は病院の機能不全が切迫している状態です。病院に感染者が多くいなくても、機能不全には陥るもの。そして医療現場の機能不全のあとにオーバーシュートが起こりうる。「オーバーシュートになっていないから緊急事態宣言を出さない」ではなく、場合によってはこのレベルの状況でも宣言を出すべき。
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース