新型コロナウイルスの感染者数が下げ止まっているなか、大阪府は「まん延防止等重点措置」の延長を要請した。要請の背景には、人出が急増する中で夏休みが迫っていることや、インドで最初に見つかった変異株(デルタ株)が広がっていることがある。
延長要請を決めた大阪府の対策本部会議では、大阪府の感染状況が示された。直近1週間の新規感染者は10万人あたり8・94人(6日時点)で、政府の分科会が「感染急増段階」と定めるステージ3の数値を下回った。病床の使用率などの指標も「感染漸増」のステージ2に入った。7日の感染者は151人。920人が確認された東京都とは状況は異なっている。
それでも、吉村洋文知事は会議後の会見で、「非常にリスクの高い時期で、感染が拡大する可能性が極めて高く、兆候が見られるとの思いを強くした」との危機感を示した。大阪市の松井一郎市長に相談した上で、6日夜に西村康稔経済再生相と電話で会談し、延長の方針を伝えたという。
感染拡大の兆候として、吉村知事が懸念するのが20、30代の新規陽性者の増加だ。重症化しにくく活動的な若者に感染が広がれば、全体の感染者の増加につながるとして、府は若者の感染者数を基にした「見張り番指標」を設けている。20、30代の感染者数の7日間平均が「おおむね30人以上」「前日より4日続けて増える」ことを指標とするが、8日にも指標を満たす懸念がある。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル