入院患者や医療従事者ら計36人が新型コロナウイルスに感染するクラスターが発生した神戸市立医療センター中央市民病院(同市中央区)が7日、感染拡大の経緯などを検証した調査報告書を公表した。陽性者と陰性者を分けるゾーニングの不十分さや、マスクが不足していたことが感染を防げなかった原因になった可能性があるとした。
報告書は木原康樹院長ら病院幹部らがまとめた。国立感染症研究所の調査や、職員へのヒアリングを通じて感染経路を推定した。
報告書によると、感染拡大の端緒となった可能性が高いのは、3月31日、新型コロナ患者から看護師への感染だ。新型コロナの軽症者用病棟に入院していた患者に発熱と意識障害があり、起き上がって歩き回ろうとしたり、床に排尿したりしていたという。病室を頻繁に訪れて対応していた看護師はマスクやガウンで防護していたが、防ぎきれなかったとみられる。院内感染が発覚するまで、新型コロナ患者を含めて入院患者はマスクを着けていなかったともいう。看護師は4月5日に発症し、その前後、担当していた患者5人も感染が確認された。
また、院内では気密性の高いN95マスクが不足し、担当する患者のせきが強い場合などに使用を限定。一時は滅菌して繰り返し使用していた。それ以外はサージカルマスクで対応せざるを得なかったという。
感染者が最も多かった新型コロ…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル