慣れきったマスク、やっと外せる? 歓迎の一方で「周りの目が…」

 やっと外せる? でもまだまだ不安……。新型コロナウイルス対策のマスク着用について政府は、人との距離が2メートル以上あれば多くの場合で外してよいとする基準を発表した。街頭や教育現場、親子連れでにぎわう公園で人々の受け止めを聞いた。

 厚生労働省が20日に発表した基準は、屋内で会話をする時は着用を推奨しているものの、十分に換気などをすれば外すことも可能としている。

 多くの若者が行き交う大阪・ミナミの道頓堀。マスクを外して歩く人もちらほらいた。

商店街は「不安3、期待7」

 飲食店などでつくる道頓堀商店会の北辻稔事務局長(70)は基準について「大歓迎です」と喜ぶ。商店会で取り組む感染対策は続けるというが、「街の雰囲気も明るさを取り戻せる」と期待する。

 「不安3、期待7です」。同じくミナミにある戎橋筋商店街振興組合の菊地正吾理事長(46)はこう語る。大型連休中こそ人出が増えたが、連休明け以降はコロナ前の半分ほど。「感染の不安がなくなることはないが、一歩ずつでも日常に戻ってほしい」と話す。

 JR大阪駅前では多くの人がマスクを着けていた。

 友人と遊びに来た兵庫県西宮市の大学3年生、芝崎理紗さん(20)は「着けるのに慣れてしまったけど、徐々に人がいない所では外していこうかな」。バイト中や大学の行き帰りにマスクをするのは息苦しいと感じてきたという。

 一方、梅田の阪急百貨店に買い物に訪れた大阪府枚方市の自営業、木村幹英さん(55)は慎重だ。「周りの目が気になる。みんなが外し出したら考えるけど、自分が感染しないためにも、しばらくは着けます」

保育園は「熱中症リスク思えば妥当」

 基準では2歳以上の未就学児にも、着用を一律には求めない。窒息や熱中症のリスクが高まるためだ。

 大阪市西区認可保育所「千代崎ポプラ保育園」の松枝順司園長(52)は歓迎する。「表情は目と口が大きな役割を果たす。マスク着用は、子どものコミュニケーション能力や発話の発達にも影響しかねない」

 大阪市都島区認定こども園「東野田ちどり保育園」の江川永里子園長(63)も「気温が上がるこれからの時期、熱中症の危険性を考えると妥当な判断です」と話す。ただ、マスクを外すことによる感染リスクは心配だ。「靴箱に密集する時や絵本を読み聞かせる時など、今まで以上に子どもどうしの間隔を空けるようにします」

つけ忘れると「ないよ」と言う2歳児

 一方、小学校の現場からはやや慎重な意見が聞こえてくる。

 「『マスクなし、今日から解…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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