垣花昌弘
連続で651回の懸垂を達成したとして、徳山海上保安部(山口県周南市)の3等海上保安正、安達健太さん(34)がギネス世界記録に認定された。県内では徳山に4人しかいない海保の潜水士の1人。人命救助にあたる危険と隣り合わせの仕事で、体を鍛えるために続けてきた懸垂だが、世界一のお墨付きに「素直にうれしい」と喜んだ。
周南市出身。徳山工業高校(現徳山商工高校)時代にスポーツはしていなかった。潜水士の活躍を描いたドラマ・映画「海猿」に憧れて2007年に海上保安学校に入ったとき、懸垂は12回しかできなかった。繰り返すうちに力が付き、昨年9月、430回を達成したのを機にギネスをめざすようになった。本番前の2カ月間は1日おきに300回の練習を課したという。
今回のギネス認定は順手での連続懸垂で、鉄棒にぶらさがり、15秒以内に最低1回、あごを鉄棒より上に出さなければならない、などが条件。これまで連続懸垂の記録がなく、530回以上を提示されたという。高松海上保安部(高松市)に所属していた3月に挑戦し、1時間27分かけて連続651回を達成。徳山海保に異動後の5月に認定証を受けた。
現在は巡視船「くろかみ」の潜水班長を務める。懸垂は上半身をまんべんなく鍛えられ、救助や搬送などの活動にも生きるという。「潜水士と懸垂は切っても切り離せない。若い子に負けないようにお手本になるようやってきたので、みんなの向上心につながればうれしい」(垣花昌弘)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル