中山直樹 西岡矩毅
成年後見人の立場を悪用し、管理していた口座から計約1280万円を着服したなどとして、福岡地検が、NPO法人権利擁護支援センターふくおかネット(福岡県久留米市)の元理事長を業務上横領と有印私文書偽造・同行使の罪で在宅起訴していたことが、同地検などへの取材でわかった。
起訴は昨年12月27日付。センターは2009年11月に設立され、成年後見人の紹介業務を担っていたが、20年に元理事長の不正が発覚し、福岡家裁がセンターの成年後見人を全員解任していた。センターは相続人らへの返金手続きを完了後に解散するという。
在宅起訴されたのは、元理事長の森高清一被告(66)。起訴状などによると、森高被告は理事長を務めていた16年7月から18年10月までの間、計27回にわたり、成年後見人として管理していた2人の預金口座から計約1280万円を払い戻し、横領したほか、同年7月には相続財産を横領する目的で、相続人に引き継いだように装った書類を作成し、福岡家裁に提出したとされる。
センターによると、森高被告はこの2人を含め、財産管理をしていた7人の口座から計約2500万円を横領していた。センターは森高被告から全額を回収し、相続人への返金を進めているという。
不正の発覚前は、市民後見人が約100人在籍していたが、被後見人が亡くなると森高被告が担当に代わり、書類などの書き換えをしていたという。20年12月に森高被告が役所に虚偽の申請をし、葬儀代を捻出させた不正が発覚した。(中山直樹、西岡矩毅)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment