「銃、どこか別のところにやったんですか」
福島市の自宅にいた阿部克己さん(71)は、知人からの電話でそう聞かされた。「まさか」。嫌な予感を抱えながら、地域の集会所そばの空き地に車を走らせた。
着くと、あるはずの黒い「ビームライフル」がない。重さ10キロもあるのに、固定していた針金を誰かが切って盗んだようだった。
“武器”を構えていた鉄製の像の名は「へたれガンダム」。名作アニメのキャラクターがモデルだが、がに股で足は短く、ずんぐりむっくり。がっかりした阿部さんの目には、高さ2メートルの丸腰の立像がますます弱々しく映った。5月上旬のことだ。
10年ほど前、アマチュア鉄工…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル