師走の週末の夜。記者は東京・新宿の歌舞伎町に向かった。新宿東宝ビルに隣接する広場、通称「トー横」。いま、どうなっているか知りたかった。
広場はおよそ800平方メートル。座り込んで酒を飲むグループや、大音量の音楽に合わせて踊る男性の姿が目に入ってきた。たばこの吸い殻が散乱し、下水のようなにおいが鼻をつく。
若者が集まり出したのは2018年ごろとされる。SNSを通じて存在が知られ、少年少女のたまり場になり、「トー横キッズ」という言葉も生まれた。
中3の少年、カナデ(15、仮名)はトー横で過ごす1人だ。自宅は大阪。母親から殴られる毎日だったという。耐えられずに家を出て、ヒッチハイクや高速バスで2日かけ、SNSで知ったトー横に来た。
所持金は1020円。都内の地下道でリュックを枕に眠る毎日だ。「俺の人生、すごいよ」。位置情報が分からないように、スマホは道中に捨てたという。
カナデの隣で相づちを打つ少…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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