富岡万葉、渡辺元史
奈良市水間町で17日午前11時半ごろ、突風によるとみられる建物などへの被害があった。市や県警によると、けが人はなかった。
市危機管理課によると、町内にある八幡神社付近の民家に隣接した木造倉庫のトタン屋根が飛ばされるなどして半壊。破片の一部は約150メートル離れた民家に突き刺さるなどした。地面に設置された太陽光パネル(縦20メートル×横30メートル)も破損し、一部がはがれて飛び散った。
周辺では複数の民家で突風などの影響により屋根瓦が破損したほか、倒木などの被害があった。
倉庫の持ち主の東村昇さん(73)は突風が吹いた当時は自宅にいて轟音(ごうおん)とともに地震のような揺れを感じたという。東村さんは「風が吹いていた3分間ほど家が小刻みに揺れて驚いた」と語った。近くの30代女性は「外に出ようと扉を開けると高さ50メートルくらいの灰色の風の渦を見た。飛行機の音に似た『ごーっ』という音がしていた」と話した。
奈良市には当時、大雨注意報と雷注意報が出ていた。奈良地方気象台によると、レーダーでは午前10時半ごろから午前11時ごろ、京都府南部から奈良市北部にかけて降水域が移動する様子を観測したという。担当者は「一般的に、突風や竜巻は積乱雲の周辺で起こることが多い」と話している。
17日午後に現地を調査した同気象台の杉岡成彦防災管理官は「当時は雷注意報が出ていて大気が不安定。突風が起きやすい気象条件だった。破損した建物などの一部があらゆる方向に飛び散っているが竜巻とは断定できない」と話した。(富岡万葉、渡辺元史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル