その知らせに、捜査本部は色めきたった。
「餃子(ギョーザ)の王将」を展開する王将フードサービス(京都市山科区)の社長だった大東(おおひがし)隆行さん(当時72)が凶弾に倒れてから、1年半近く経った2015年のことだ。
京都府警は事件直後、現場の本社前の駐車場付近に落ちていた複数のたばこの吸い殻を収集。従業員や取引先らのDNA型と照合し、誰とも一致しないものが1本だけ残っていた。
それが、福岡を拠点とする特定危険指定暴力団・工藤会系組幹部の田中幸雄容疑者(56)=殺人容疑で逮捕=のDNA型と一致したのだ。
「銃を使うプロが現場に吸い殻を残すなんて思えへんやろ。だから、ホンマか?と」。当時の府警幹部はこう振り返る。
犯人は逃走し、目撃者はなし。事件の構図を推測する「筋読み」さえままならない状況が、一挙に打開したかにみえた。
◇
【緊急連載】王将社長射殺事件
「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さんの射殺事件で、暴力団幹部の男が殺人容疑で逮捕されました。事件から9年を前にした急展開。捜査の裏側や事件の背景を探ります。
突き止めたバイク、ハンドルからは…
田中容疑者の存在は、実はそ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル