岐阜県立国際園芸アカデミーで花き生産を専攻する2年生の塚本祐也さん(20)は、夏の植物を使った手のひらサイズの「マイクロ寄せ植え」を完成させた。夏季は草丈が高くなりやすく、小さな寄せ植えを作るのは特に難しいが、矮化(わいか)剤処理などで極小化。5種類の花苗を直径6センチほどの小さな鉢に植えた。今後は秋・冬の植物での制作も計画している。
肥料、矮化剤使い試行錯誤
マイクロ寄せ植えは穴数の多いセルトレーと遅効性肥料を組み合わせ、極小状態で開花させる。わずかな場所でも気軽に季節の花を楽しめる利点がある。ここまで小さな寄せ植えの商品化はほとんど事例がないという。 塚本さんは卒業研究として取り組もうと、2019年度からアイデアを温めてきた。今年2月に種をまいたが、その後は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で登校できなくなったため、指導する前田宝秀准教授が塚本さんと情報交換しながら管理。春の植物3種類で試作品を作った。 6月から登校可能になったため、今回は塚本さんが7月の種まきから寄せ植え完成までを一貫して手掛けた。春はケイトウ、マリーゴールド、ベゴニアの3種を使ったが、今回は10種類を栽培。矮化剤での草丈抑制で良好な結果が得られたケイトウ、マリーゴールド、コリウス、ヒポエステス、メランポジウムの5種類に絞り、商品性を高めた。 鉢は直径約6センチの2号底面給水鉢の他、缶や絵柄のかわいい食器、鍋、ストローを挿したプラコップなども使った。食卓での設置を想定したものには、土の代わりにジェルポリマーを使った。 今後はビオラやストックなどを使った秋・冬の寄せ植えにも挑戦する。より長い期間観賞できるよう、遅効性肥料の混合にも改良を加える。 塚本さんは卒業後、ホームセンターに就職する。「マイクロ寄せ植えを発展させ、園芸部門の新しい商品作りにつなげたい。新しい楽しみ方を提案したい」と夢を広げている。
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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