手仕事が生む逸品 カナダ出身や元CAの職人が手がけるフライロッド

 渓流の岩陰に潜むイワナやヤマメを、毛針を使って誘い出して釣り上げるフライフィッシング。そのロッド(さお)を手がける小さな工房が岩手県紫波町にある。宮沢賢治の名作「銀河鉄道の夜」にちなんで「カムパネラ」と名付けられた工房は、渓流釣りの愛好家からあこがれを集める手作りの逸品を、四半世紀にわたって生み出してきた。

 北上川の支流が流れる田園地帯。その一角に鮮やかなブルーの外壁が印象的な小さな建物が立つ。1999年に創業したカムパネラは2020年、工房兼店舗をこの地に移してフライロッド作りを続けてきた。

 日々の始業は午前8時。工房では、創業時からロッド作りに携わり、10年に代表に就任した石川寛樹さん(53)が、細長い金属製の芯棒にガラスやカーボンのシートを巻き付けていく。

ミリ単位で整形、月産60本が限界

 芯棒を約130度の高温を保…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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