担任へSOS、その後も続いた性加害 市教委「どこかで話止まった」

黒田早織

 兵庫県伊丹市の小学生女子バスケットボールクラブで起きた、複数の児童に対する強制わいせつ事件。神戸地裁伊丹支部は13日、コーチで元校長の相原信也被告(71)に懲役4年6カ月(求刑懲役7年)を言い渡した。

 裁判の中では、被害児童の1人が小学校の担任に被害を相談したのに、対応が取られていなかったことも明らかになった。

 昨年8月にあった児童の証人尋問によると、児童は21年11月ごろに担任へ「ストレッチだと言って体を触られる」と相談した、などと証言した。担任は「嫌やったら警察に相談したら」と返したという。

 だがその後もこの児童は翌年4月ごろまで被害に遭い続けた。他の被害児童2人は、この相談時期の後にも被害に遭っていた。

 子どもがSOSを発したのに、なぜ被害を止められなかったのか。

 市教委によると、子どもから何らかのトラブルやハラスメントを相談された場合、教員は校長など管理職に報告。管理職の判断で市教委に共有し、関係機関につなぐことになっている。

 今回のような学校外の地域スポーツで起きた事案だと、所管する市教委スポーツ振興課に情報共有され、何らかの対応が取られるのが通常の流れだという。

 市教委は、取材に「この件は市教委に情報が入っていなかった」とし、「児童が担任に相談していたのならば、どこかで話が止まってしまったということになる」と回答した。

 しかし、現時点で事実関係を調査する予定はないという。市教育長は「学校から市教委に連絡がなかったので対応のしようがなかった」などとコメントした。(黒田早織)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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