あの世とこの世の境には、夜な夜な妖怪が現れ、ひしめく――。京都のあちこちに伝わる妖怪の伝説を生かして街を元気にしようと、京都市が市内2カ所の商店街を対象に初めて、ふるさと納税型のクラウドファンディング(CF)で資金を募っている。それぞれ特有の危機感が背景にある。
この世とあの世の境界
北野天満宮から南へ徒歩約5分。京都市上京区の大将軍商店街は端から端まで400メートル、加盟店も15軒ほどの小さな商店街だ。
商店街は一条通沿いにある。平安の昔、この世とあの世を隔てる境界とされ、妖怪たちが夜ごと行列を作って歩いたという「百鬼夜行」の伝説が残る。
寂れゆく商店街を元気にしたいと、妖怪にあやかった仮装行列「一条百鬼夜行」を始めたのは2005年10月。折しも、ジブリ作品の「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」のヒットもあって、世界はちょっとした「妖怪ブーム」。年を追うごとに客が増え、コロナ前は外国人が爆発的に増えていた。
混雑しすぎて……
コロナ禍の20、21年は2…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル