江戸川夏樹
自分の得意な能力をサイト上で出品し、必要な人に買ってもらう「スキルマーケット」が急拡大している。イラストの作成から料理教室、悩み相談まで、対象は様々。新型コロナウイルスの感染拡大で在宅勤務が広がり、空いた時間で副業を始める人が増えたことが背景にあるという。
業界大手の「ココナラ」は、2012年に開設。似顔絵の作成や作曲、マーケティング、翻訳など幅広く出品され、多くは500円から数千円で取引されている。
「ホームページの企画立案から制作まで担って100万円」という高額のサービスのほか、「恋人と復縁するための相談に1分220円」といった出品も。「やろうと思えば何でもできる場所」と広報の柳沢芙美さんは話す。
サイトの利用者は増え続け、21年時点で260万人が会員登録している。4年前の4倍だ。
とくに新型コロナの感染拡大後に利用者が増えており、在宅勤務で空いた時間を活用する人がいるほか、「コロナ禍でオンラインに抵抗感がなくなったことも要因」(柳沢さん)とみられている。
同じく12年に始まった「ストアカ」のように、料理や片付け術など教えることに特化するサイトもある。主婦層の出品者が増えており、生活に不安を感じ、副業として始める人も多いという。
情報経営イノベーション専門職大学の中村伊知哉(いちや)学長は「誰もが、自分なりの『能力』を持っている。主婦層やシニアなど埋もれた能力が社会に出始めている」と話す。
一方でサイトは乱立しており、どこを信頼すればいいか分かりにくいこともある。
中村学長は「サイトの運営会社の連絡先が掲載されているかや、悪質な出品者が放置されていないかを確認するなど、利用者はサイトの安全性にも気をつけてほしい」という。(江戸川夏樹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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