三井新
1974、75年に起きた連続企業爆破事件で指名手配されていた桐島聡容疑者(70)を名乗った後、入院先で死亡した男について、警視庁公安部は27日、桐島容疑者本人と特定し、発表した。
桐島容疑者の指名手配は解除され、警視庁が27日、全国に解除通知を伝達した。各地の警察署などにある情報提供を呼びかけるポスターから、桐島容疑者の姿は順次消えていくことになる。
警視庁築地署では27日午後3時半ごろ、署の前に掲示されているポスターの桐島容疑者の顔写真や氏名の上に、署員が「手配を解除しました」と書かれた紙を貼り付けた。現場には多くの報道陣が集まり、その様子を見守った。
49年続いた指名手配 写真の撮影は73年
桐島容疑者は1973年撮影の写真などが手配に使われてきた。共犯者が国外にいるとして時効が停止しており、指名手配は49年続いた。
連続企業爆破事件では、死者8人を出した三菱重工ビルを含めゼネコンなどに爆発物が相次いで仕掛けられ、過激派「東アジア反日武装戦線」が犯行声明を出した。桐島容疑者は武装戦線のグループ「さそり」のメンバーだった。武装戦線による爆破事件は12件あり、桐島容疑者はこのうち75年4月の韓国産業経済研究所の爆破事件に関与した容疑で、翌5月に指名手配された。
27日には、同研究所と、ゼネコン「間(はざま)組」関係先4カ所の計五つの爆破事件に関与した疑いがあるとして、警視庁公安部は爆発物取締罰則違反容疑で書類送検した。
これまでに公安部は一連の爆破事件に武装戦線の10人が関与したとして、9人を逮捕。このうち超法規的措置で釈放された大道寺あや子容疑者(75)ら2人が国外に逃亡しているといい、捜査を続ける。(三井新)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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