強豪でも、歴史のあるクラブでもない。それでも、生徒数が増えている人気のラグビークラブがある。
モットーは「ラグビーを通じて世界中に友達を作る」。どんなクラブなのか、訪ねてみた。
「ゴーゴーゴーゴー!」
「ピックアップボール!」
残暑が厳しい9月上旬、東京都世田谷区内のグラウンドに、英語で呼びかける声が響き渡っていた。
コーチの指示を聞くために、子どもたちが集まった。おそろいの赤いユニホームの背には、生徒の名前が英語で書かれている。HARUNOSUKE、KEIDEN、JOEY、ULYSSE……
クラブの名は「渋谷インターナショナルラグビークラブ」。2019年ワールドカップ(W杯)の日本招致にも関わった元日本ラグビー協会の徳増浩司さんが中心となり、17年9月に設立した。
イングランド発祥のラグビーだが、日本人と外国籍の子どもたちが一緒にプレーできるクラブは少なかった。徳増さんは、インターナショナルスクールに子どもを通わせる保護者からこう言われたこともある。「国籍も言葉も、コミュニティーのバリアーを破った交流をする場所を作ってほしい」。言葉は通じなくても、ラグビーを通じた交流はできるはず。W杯が終わっても「レガシー」が残るクラブを作りたい、との思いだった。
16人から始まったクラブは…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル