指導者の道へ、初舞台生は「わが子」 元宙組・珠洲春希

すみれForever:15

 宝塚歌劇団の元宙(そら)組男役・珠洲春希(すずはるき)さんは、自身を「なんでも屋」と表現します。2011年の退団後、ダンスや芝居の指導をしながら自ら舞台にも立ち続け、シャンソンのライブも開いてきました。13年からは、宝塚歌劇団の振り付け助手として、現役のタカラジェンヌの指導もしています。

宝塚歌劇団OGのみなさんが、次の人を指名しながらリレー形式で登場するインタビュー企画。今回は、元雪組トップスターの水夏希さんから、珠洲さんへ

 ――現在の活動の中心は。

 歌劇団の振り付けアシスタントだけではなく、宝塚以外の舞台の振り付け、それからもう7年くらいになりますが、タレント事務所で子役の子どもたちにもお芝居を教えています。「なんでも屋です」としか答えられないくらい色々な活動をしていますが、私にとっては全てがつながっていて、どれも大切なお仕事です。

 宝塚で初めて振り付け助手のお話をいただいたのは、13年の99期生の初舞台です。その後、103期生の初舞台にも関わりました。卒業後に、また歌劇団のお仕事に携わらせていただけるのはありがたく、幸せだと思っています。

 1カ月半もの間、毎日のように一緒にいましたので、その時の初舞台生はまるで「わが子」のように思っています。

 ――ご自身は1997年に83期生として初舞台を踏みました。当時の思い出は。

 振付家の故・喜多弘先生に初舞台の指導をしていただきました。まさに「太鼓のバチや灰皿が飛んでくる」というタイプの厳しい方。でも初舞台生の「父」のような存在でした。

 先生は「信頼関係を築くことが大切」とよくおっしゃっていました。稽古の合間に、みんなで自分や家族のことを話し合う時間をよく作ってくださったのも、そのためだったと思います。練習は朝から晩までとても大変でしたが、稽古のすべてが、今もとても記憶に残っています。

 ――在団中は「ダンスの人」として活躍していた珠洲さん。きっかけは。

 入団時は成績があまりよくありませんでした。私の取りえはなんだろう、何が頑張れるだろうと思い、研1(入団1年目)のときに一生懸命ダンスのレッスンに通いました。すると成績が上がり、「ダンスってこんなに楽しいんだ」と。

退団後にはまったシャンソンの魅力や指導者としての思いなど、印象的な言葉が続きます。

 5番目の組として「宙組」がで…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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