今年の操業を終えた捕鯨母船「日新丸」(8145トン)が14日、山口県下関市の下関港に入港し、イワシクジラの生肉を荷揚げした。2019年の商業捕鯨再開から3年目、母船式捕鯨でクジラの生肉が下関港に荷揚げされるのは初めて。16日に市場で競りにかけられる。
操業する共同船舶によると、今回の生肉は、北海道の根室沖で11月8日に捕獲した大型のイワシクジラのメス(体長約15メートル、体重約29トン)。最高級部位の「尾の身」など1・4トンを小型コンテナ6個に分けて荷揚げした。捕獲したクジラは通常、母船に積み込まれて解体・冷凍されるが、生肉は一度も冷凍せずに氷温冷蔵することでうまみや鮮度が増すという。
日新丸は6月以降、クジラを実際に捕獲する第3勇新丸との2隻態勢で三陸沖や北海道東部沖で操業。定められた捕獲枠のニタリクジラ187頭、イワシクジラ25頭を取りきり、これまでに仙台港(仙台市)などでも荷揚げした。
共同船舶の所英樹社長は生肉荷揚げの狙いについて「脂が乗って大変おいしい。正しい価値をわかってほしい」と話した。(貞松慎二郎)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル