捨て猫や捨て犬の引き取り(譲渡)が、コロナ禍で急増している。三重県内の施設に集められた犬猫の今春以降の引き取りは、昨年の同じ時期よりも、率にして2倍以上になった。県の獣医師は「コロナで自宅にいる時間が増えたことが関係しているかもしれない」と話す。
「愛情と責任をもって終生飼養します」
10月上旬のある日、津市森町の県動物愛護推進センター(あすまいる)で、三重県鈴鹿市のパート、西河恵さん(41)が、子猫を譲り受ける誓約書にサインした。センターは県内で収容された捨て猫、捨て犬、野良猫が集まる施設。その犬猫を希望者は、飼い主として引き取ることができる。
西河さんはその1週間前に、家族と一緒にセンターを訪問し、子猫1匹を連れて帰っていた。1週間の飼養トライアル期間を終え、子猫を正式に引き取ることを決めた。「猫のおかげで家族の会話も増えた。本当によかった」と話す。
西河家では元々、猫を飼っていた。10年前に死んだが、その悲しさのあまり、ペットを飼うのはやめようと家族で話していた。
一方、今年に入り、新型コロナウイルスの影響で、休校になった高校生の長女(18)は自宅でゲームばかり。生活リズムも乱れた。長男(19)もコロナ禍での慣れない仕事に疲れ、次第に家族は会話も生活時間もすれ違うようになった。家族で話し合い、日々の生活の癒やしとともに、家族円満のために、新たに猫を飼おうと決めたという。
しかし、子猫探しは難航した。…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル