愛知県春日井市の市立藤山台小学校では、一斉授業が減りつつある。昨年度から高学年の多くの教科で、児童が主体となって個々に学ぶ形の授業をしている。(編集委員・宮坂麻子、城真弓)
6年生の教室。社会科の授業が始まると、子どもたちはこの時間に自分が学ぶことを手元の端末に入力していく。内容はほかの子の画面にも表示される。「仏教を意識して、現在の日本の宗教や行事と比べながら、聖武天皇はどのように世の中を治めようとしたのか天皇の視点で調べる」「中大兄皇子の国を治める方法と比較して、聖武天皇の治め方を調べる」……。友達が入力した内容を見て修正する子も。いい内容には、担任の久川慶貴教諭が自身の端末で「いいね」マークをつける。学ぶ単元は学級内で同じだが、何に焦点を当ててどう学ぶかは、毎時間、子どもが決める。
教科書などからキーワードを画面上の付箋(ふせん)に入力し、並べ替え、色分けし、画面上で自身の思考を整理。疑問点を教育用動画やネット検索などで調べ、友達と議論し、端末上でまとめる。
教科書に掲載されている国分寺の全国の分布図を見て、ある子が「なぜこんなに建てられたの?」とつぶやいた。すると近くにいた子が「北の方は少ない」という。「お金なかったのかな」「お金ってこの時代あったの?」「(天皇がいた所から)遠いからじゃない」……。数人で教科書と端末を囲み、議論が始まった。教室を回っていた久川教諭は「印象じゃなく根拠は? 調べてみよう」と声をかける。
学校の通信環境を整え、全国の小中学生に1台ずつパソコンやタブレットなどの情報端末を配る国の「GIGAスクール構想」が、本格的にスタートして3年目を迎えました。授業はどう変わったのでしょうか。現場を取材しました。
社会も算数も自分で決める学習 思わぬ力発揮も
隣の6年生の教室では、算数…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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