ある日の放課後、北陸地方の公立小学校で、若手の女性教諭が学校備え付けのパソコンに向かっていた。
表計算ソフトにまとめて勤務時間を入力する作業。ある程度進めると、月の時間外労働時間が「過労死ライン」とされる80時間を上回ることに気付いた。
「超えるかもしれません」。女性は、少し離れた席にいる管理職にそう声をかけた。
働き方改革で、この管理職から80時間を超える場合は報告するよう言われていたためだ。
管理職は席を立ち、近づいてきてパソコン画面をのぞき込んだ。
そしてこう言った。
「全部8時からにしちゃえ」
女性は毎朝、午前8時よりも少し前に出勤するのが習慣だった。これを一律、8時に遅らせて少し勤務時間を削る。そんな提案だと受け止めた。
毎日のように自宅に仕事を持ち帰る。タイムカードを押さずに休日出勤するーー。教員の長時間労働の背景に、そんなオンとオフとの境界があいまいな現状があります。連載「いま先生は」の第2部は、勤務時間の内外を問わず業務に追われる姿を通じ、働き方改革はどうあるべきかを探ります。
書き換えられたのに「ありがとう」
親身になってアドバイスして…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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