掘った土砂は東京ドーム2個分 豪雨で氾濫した川の改良工事が大詰め

 2018年の西日本豪雨で大きな被害を受けた岡山県倉敷市真備町などで、高梁川と支流の小田川の合流地点を下流に付け替える国の事業が大詰めを迎えている。5年前は高梁川が増水し、流れ込みが悪化した小田川の水位が上がって各地で越水した。工事の進捗(しんちょく)率は8割を超え、今年度末には完成する見通しだ。

 西日本豪雨では高梁川の増水によって、支流の小田川の流れ込みが阻まれて水位が上がる「バックウォーター現象」が発生した。小田川やその支流の堤防計8カ所が決壊。周辺の約5500戸が全半壊するなどの被害が出た。

 そのため付け替え工事では、高梁川の約4・6キロ下流で小田川が合流するようバイパス(迂回(うかい)路)を造ってつなげる。合流地点を下流にすることで、二つの川の高低差を広げて氾濫(はんらん)の危険性を減らす狙いがある。

 工事は19年6月に着工。現在の合流地点の近くにある柳井原貯水池(倉敷市船穂町)を小田川のバイパスとして使い、流れをスムーズにして川幅約200メートルで高梁川に流し込む。現在の合流地点には堤防を設け、高梁川への流れを締め切る。総事業費は約474億円。

 一番の難工事は、小田川と貯…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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