接触時間98・2%減なら今月下旬に新規感染者ゼロにできる―。新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、安倍晋三首相(65)は緊急事態宣言が発令された7日の会見で、人と人との接触時間を最低7割、極力8割減らすことで2週間後に感染者数は減少に転じるとの見通しを示した。感染者が最も多い東京でも小池百合子知事(67)が8割抑制を目指すと述べた。
だが、統計学を使い、感染拡大の抑止について研究を進める横浜市立大の佐藤彰洋教授(データサイエンス)の見立ては厳しい。「制御できるギリギリのタイミングであり、80%減では不十分」と強調。「感染者が急増する都内など都市部では、今から98・2%減まで落とすことで4月下旬ごろに、新規感染者をゼロにできる」と分析した。
佐藤氏の言う「98・2%減」とはどのくらいだろうか。一般的に社会生活を送る上で、1日平均約16時間を人と接触する。2週間では224時間となる。「通勤・通学、買い物などに費やす時間を110分以内に抑えることで98・2%減となる」と指摘する。8割減ではいずれ感染者数は上昇に転じるという。
都の1日の感染者数は4日から3ケタを超える日が続出。政府の調査によると緊急事態宣言以降、都内の主要駅周辺の平日午前6時~午後6時の人出は約20~30%減少している。それでもテレワークが難しいため、出社を余儀なくされるとの声も根強い。
佐藤氏は行動を制限しない場合、5月上旬にも感染者数が全国で10万人を超え、電気などの社会インフラや医療が崩壊し、大混乱が起きる可能性があると警鐘を鳴らす。「台風が来ると皆さんは自宅にこもり、出歩かないと思いますが、ウイルスもそれと同じように考えてほしい。感染爆発が始まってからでは手遅れになる」と話した。
報知新聞社
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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