交通事故の相手に損害賠償を求めるよう依頼したのに、弁護士が約6年半にわたって提訴せず賠償金を受け取れなかったとして、大阪府の男性(34)と親族が大阪弁護士会の男性弁護士(50)と所属する弁護士法人(大阪市北区)に計約2億8千万円の損害賠償を求めた訴訟が、大阪地裁で和解した。弁護士側が解決金計1億6750万円を支払う内容。10月28日付。
訴状によると男性は2008年8月、大阪市内で自転車に乗っていた際にトラックと衝突し、両手足のまひなどの後遺症が残った。男性の親族が09年12月、この弁護士を担当に、トラック運転手に損害賠償を求める契約を同法人と結んだ。だが、弁護士は16年5月になって提訴。大阪地裁は17年11月、民法上の損害賠償請求権の時効(3年)を理由に請求を棄却し、その後判決が確定した。
男性らは18年11月、「時効前に訴訟を起こす職務上の注意義務を怠った」として弁護士側を提訴。弁護士側は「運転手の保険会社と交渉中で、時効は中断していると思っていた」と請求棄却を求めていた。
和解条項には、男性が弁護士会への懲戒請求をしないとする内容が盛り込まれた。弁護士は「和解内容については口外できないことになっているため、お答えできない」と話している。(米田優人)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル