揺れる「ふるさと納税」…どうなる!? 泉佐野市VS総務省(TOKYO MX)

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。6月18日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、経済ジャーナリストの磯山友幸さんが、ふるさと納税を巡る総務省の狙いについて見解を述べました。

◆6月からの新制度対象除外

ふるさと納税への過度な返礼品などを理由に、6月に始まった新制度から大阪・泉佐野市を除外した総務省の対応を巡り、同省所管の国地方係争処理委員会は17日(月)、会合を開き、妥当性の審査を始めました。

泉佐野市は地域の自主性を尊重する地方自治法に反するとして、新制度に参加させるよう、総務省に勧告することを求めています。

磯山さんによると、ふるさと納税はここ数年で急激に人気が沸騰し、2017年には3,653億円ほどの規模に。その背景には、仲介サービスが増え、なおかつ手続きが簡単になったことや、実質自己負担が2,000円だけで済むこと。さらには、自治体が創意工夫した、魅力的な返礼品などが挙げられます。

◆泉佐野市135億円は全国トップ

しかし総務省は、寄付を集めるために、過度な返礼品競争になっていると危惧。各自治体に対し、返礼品は地場産品で、調達費を寄付額の3割以下に抑えなければならないと、繰り返し通知してきました。

2017年に泉佐野市に集まった寄付額は、全国トップの135億円。2018年度は、300億円を超えていると言われているそうです。なぜここまでの寄付が集まったかと言えば「ショッピングモールまがいのサイトを作って、返礼品を煽った」と磯山さんは言います。

◆地方交付税交付金も減額……

そして今年6月、度重なる指導に聞く耳を持たなかった泉佐野市をはじめとする4つの自治体(静岡・小山町、和歌山・高野町、佐賀・みやき町)を、総務省は新制度の対象から除外しました。また、意外と注目されていないものの、3月には総務省が分配している地方交付税交付金がこの4つの自治体は減額になっていたそうです。

この対応に関して、磯山さんは「泉佐野市もやり過ぎたとは思うけど、かといって除外まで……」と疑問視します。磯山さん曰く、泉佐野市をはじめとする4つの自治体の行為は、違法ではないとか。「脱線はしているけど、法律の枠内でやっていたことを問題だとして、指導に従わないから(新制度から)除外するのはちょっとやり過ぎだと思う」と総務省に対して意見します。

◆「もっと活用されていい」

ふるさと納税の寄付額は急激に増えていますが、所得税で入る地方税は約13兆円だけに、実はその規模感はまだまだ小さいのが現状です。そのため「本来は、ふるさと納税というのは、もっと活用されてもいい」と磯山さん。

また、地方交付税交付金は約15兆円。「基本的に、どう分配するかが総務省の権力の源泉になっている」と指摘し「(総務省は)そこに蟻の一穴で穴が空いてしまうことを恐れている」と推測します。

ふるさと納税の施行以前、地方自治体が予算確保をするためには総務省に行き、いかに補助金を増やしてもらうかしかなかったとか。しかし、施行後は「どう寄付を集めるか創意工夫をするようになった」と磯山さん。そして、集まった寄付金は、子どもたちの学校設備や給食の費用、さらには災害復興などにあてられているそうです。

◆総務省の本音は“ふるさと納税つぶしたい”!?

そんなふるさと納税に対して、磯山さんは「財源が移っているというよりも、景気対策になっている減税だと思えば非常にいい制度だと思う」と言いつつ「総務省は(ふるさと納税を)つぶしたくてしょうがない、(地方自治体を)自立させたくないというのが本音なんでしょうね」と話していました。

Source : 国内 – Yahoo!ニュース

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