自動車運転中に携帯電話やスマートフォンを使う「ながら運転」による死亡・重傷事故が昨年、全国で122件発生し、統計のある2007年以降で最多となったことが警察庁のまとめでわかった。ながら運転の罰則が19年に強化されていったん減ったが、直近は3年連続で増えた。
警察庁の露木康浩長官は7日の記者会見で「携帯電話などを使用しながらの運転は非常に危険で、絶対にやめていただきたい」と訴えた。
警察庁によると、昨年、自動車運転中の携帯やスマホの使用が原因となった死亡事故は前年より6件多い25件で、重傷事故は28件多い97件起きた。合わせると前年比約4割増の122件で、これまで最多だった18年の107件を上回った。軽傷を含む人身事故全体でも、127件増の887件で3年続けて増えた。
ネットやSNS、ゲームで
事故を起こした車の運転者がスマホなどを使っていた目的では、死亡・重傷事故122件のうち107件がネットやSNS、ゲームなど画像の使用、15件が通話だった。
死亡したのは26人(前年比7人増)で、うち14人が車に衝突されるなどした歩行者だった。重傷者は109人(同37人増)で、車に乗っていた人(同乗者を含む)が49人で最多で、歩行者21人、二輪車17人、自転車16人と続いた。
スマホなどのながら運転による事故が死亡事故に至る割合は、それ以外の場合に比べ3・8倍高いという。
ながら運転による事故や違反の防止をめざし、罰則を強化した改正道路交通法が19年12月に施行された。刑事罰が6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金に、行政処分の反則金も普通車が1万8千円に引き上げられた。事故など「交通の危険を生じさせた」場合は全て刑事手続きの対象となった。その結果、20年にはながら運転による事故が大きく減ったが、21年から再び増えている。(編集委員・吉田伸八)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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