皇居・東御苑の「三の丸尚蔵館」の改築工事現場で、約400年前の江戸城石垣がみつかった。慶長後半~元和期(1608~24年ごろ)に築かれた後、現在まで修繕されていなかったとみられる。これまで見つかっている江戸城遺構の中で、最古の状態のものの可能性があるという。
拡大する皇居・東御苑の三の丸尚蔵館改築工事現場でみつかった江戸城石垣の遺構=東京都千代田区
石垣は高さ約4メートルで、昨年11月に見つかった。皇居内には江戸城の遺構が数多く残っているが、改築や修繕など人の手が加えられていないものは珍しく、徳川氏の江戸最初期にさかのぼるものは初めてという。
皇居のある東京都千代田区は「これまで絵図などの資料でしか記録がなかった遺構の現物がみつかったことは画期的。当時の環境や築城工法など新たな発見が期待できる」としている。
拡大する皇居・東御苑の三の丸尚蔵館改築工事現場でみつかった江戸城石垣には、当時の職人らが刻んだとみられる、丸で囲まれた「中」や「一」といった刻印があった=東京都千代田区
同区や宮内庁によると、遺構の現場は足場が悪いため一般公開の予定はないが、出土した遺物などについては公開を検討しているという。(杉浦達朗)
拡大する皇居・東御苑で、本丸から二の丸へつながる梅林坂と汐見坂の間で行われている石垣の修復現場を訪れ、みつかった江戸時代の瓦などの出土品について説明を受ける上皇ご夫妻=2003年6月
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル