放課後デイで行方不明、息子亡くして1年 真相解明求める両親の自責

 わが子を亡くして1年になる。あの日、中学1年の長男は放課後等デイサービス(放デイ)を飛び出し、その後、川で見つかった。

 大阪府豊中市の清水亜佳里(あかり)さん(42)の自宅の電話が鳴ったのは、昨年12月9日の午後4時すぎだった。

 「悠生(はるき)君、30分ほど行方不明です」

 長男の悠生さん(当時13)が、放デイ施設で送迎車を降りた直後、いきなり車道の方へ走り出したという。

 胸騒ぎがした。

 3歳の時、知的障害と多動を伴う自閉症と診断された。親から見れば、自分の行動で起こりうる危険を予測できない。目を離すと衝動的に走り出すこともある。

 悠生さんは話すことが苦手で、意思疎通は難しかった。特別支援学校の小学部に入学すると、父の悠路(ゆうじ)さん(47)はあることを試し始めた。

 みかんやオムレツ、豆ごはん、トマト、車にバス……。

 身の回りにある様々なものの写真をラミネート加工したカードにして、その裏にそれぞれの名前を書いた。悠生さんにカードを見せ、言葉を覚える練習を重ねた。

 小学部を卒業する頃には、悠生さんは身ぶりや手ぶりも交えて、好きなものや欲しいものを伝えられるようになった。

 「まるで体の動きで話しているみたいやな」

 夫婦で話して、悠生さんの成長を喜んだ。そして、期待が膨らんだ。

 家族旅行に行けるかもしれない――。

■伝えた不安、約束守られず…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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