政府のメッセージが伝わらない。(流通経済大教授の尾内隆之さん)
科学技術政策に詳しい流通経済大の尾内隆之教授(52)は、新型コロナウイルス感染症の流行初期から政策を追ってきた。
「第4波」の今、一番の問題は「政府が国民に何をしてほしいのかが伝わらず、感染を抑え込まなければという危機感を感じとれないこと」と言う。
国民の協力を得るには、「政府は感染抑制のためにこういう施策をする。ここまで下げよう」という具体性が求められる。解除の時期も日付ありきでなく、感染抑制の目標を示し、「この数値を達成できれば。達成まで頑張りましょう」とすれば、メッセージは伝わりやすい。
だが出てくるのは、お願いと当たり障りのない内容ばかり。「それでは聞き流されてしまう」
同様の思いは、以前からあった。感染対策で個人ができることは限られている。保健所の体制強化や大規模検査、換気施設の改修補助、テレワーク促進支援……。政府が打てる手はたくさんあったはずだ。
国民も「ここまでしてくれた」と感じてこそ、我慢も協力もできる。
みんな難しさもわかっている。「対策に不備があったなら、素直に認めて軌道修正をすればいい。政府内で意思を統一し、説得力のあるメッセージを出してほしい」(編集委員・辻外記子)
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誰もが経験したことのない日々が続いています。様々な立場、場面の言葉を集めます。明日に向かうための「#コロナを生きる言葉集」。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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