自民党の秋葉賢也首相補佐官は26日夜、地元の仙台市で政治資金パーティーを開いた。安倍晋三首相が肺炎を引き起こす新型コロナウイルスの感染拡大防止のため全国的なイベントの自粛を要請した直後だった。秋葉氏は27日、「幸いにして東北地方は患者の発生がなく、検査態勢に余裕があると確認した」と述べ、問題がなかったとの認識を示した。報道陣に語った詳細は次の通り。
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「安倍晋三首相が国民に対して3月15日までイベントの自粛を要請したのは昨日(2月26日)の午後で、私のパーティーは夕方に予定されていた。物理的に中止という選択肢は難しかった。(首相補佐官は)危機管理をしていく立場にいるので当然延期も含めて事務所と検討した」
「しかし、幸いなことに宮城県を含め東北地方は6県とも感染者が出ていない。ただ、出ていなくてもこれから出るリスクがあるので、宮城県の2カ所でやっている(新型コロナウイルスの)PCR検査の需要はどれくらいあるのかということも踏まえたら、能力に対して大きな実績はなかった。今後のリスクについても極めて低いということが予想されたので、例年の半分の1時間強で切り上げた」
「無頓着に能天気に開催したのではなく、いたるところにアルコール消毒液を置いて、当然、感染者が出たらその時点で延期すると決めて事務所にも指示していた。政府は一律に自粛をお願いするつもりはなく、主催者で考えてくれというのが公式的な立場。だから私も自分のパーティーを予定通りやるかどうか慎重に判断した。幸いにして東北6県は、まだ感染者も出てない。実際に県内におけるPCR検査が1日どのくらい行われているのか踏まえると、思った以上にほとんど検査に回されているものがなかった」
「パーティー当日のタイミングで政府が自粛要請したものだから、補佐官という自粛をお願いしなきゃいけない立場でいいのかと批判になっている。何度も言うが、当日のパーティーだった。延期も検討した。あらゆるリスク分析をした上で、東北6県では幸いにして感染者はいない。これから起こるリスクはPCR検査の件数がどうなのか全部調べた上でトータルで判断した」
「首相の自粛要請がなくても1時間で終わらせようと決めた上でやっている。万全を期して。それをベテラン議員の『首相補佐官の立場なのに』とか『リスク管理がない。軽率だ』とかのコメントが出ていたが、はっきり言って心外。どの国会議員以上にもリスク管理して、やった」
「こんなことは言いたくないが、今日もパーティーをやっている議員もいるし、昨日は同じ地元の小野寺五典衆院議員が感染者の出ている東京でやっている。私が補佐官という肩書だから私だけ着目されるのはどうかなと。補佐官という立場だからこそ慎重に開催の是非を判断した。各社の取材を無視していたら、事実と異なることが書かれているので、真実をお話しすることにした」
--政府が集団感染のリスクがあるとする立食形式で行ったことについては
「(見解が出されたのは)当日の話だから。準備も全部そろっている段階で、早めに切り上げるために1時間で終わらせた。十分配慮しているからということ」
--小野寺氏は立食形式からセミナー形式に切り替えたというが
「私も中身を例年とはまるっきり変えている。例年は2時間やっていたのを1時間で切り上げた。リスクを少しでも減らすために。そもそも東京と仙台を同じように論じるのはおかしい。仙台は感染者が出ていない。(マスコミの)皆さんが面白おかしく感染者が出ていなければいいのかと書くから、それに加えて調べた。(検査の)件数は公表していないので申し上げられないが、上限に対して宮城県は1割未満だった。それが開催の決め手になった。それを正しく報じてもらわないと。感染者がいる東京と違う」
--ビュッフェ形式だったのか
「当日のパーティーだったので、準備してあるものに切り替えられなかった。形式がうんぬんという問題ではない。ビュッフェだからうつる、弁当ならうつらないというデータがあるのか。大事なのは感染者がいるかどうか。東京のように感染者がいるところでやるのと、宮城県のように幸い感染者がいないところでやるのと同じなのか。形式は問題ではない」
--問題なかったという認識でいいか
「問題なかったという意味が分からないし、十分リスク管理をして実施した。もう一度言うが、政府の公式な立場というのは一律の自粛要請はしないというのが昨日の午後までの政府の立場だった。ただ、首相が昨日午後、初めて3月15日までの自粛を要請した。私はその日の夕方にパーティーが組まれていたので」
--人気音楽グループのライブは当日キャンセルになったが
「同じ環境でとらえないでほしい。宮城県は感染者が出ていない。これから出るリスクも、今まで何件検査がやられているのかということも踏まえて判断した」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース