政府先行の緊急事態宣言検討 大阪府方針とずれ 

 大阪府と首都圏3県の新型コロナウイルス対応について、政府が現在適用している「まん延防止等重点措置」を緊急事態宣言に切り替える方向で検討していることを受け、大阪府吉村洋文知事は29日、「緊急事態宣言を適用するかどうかは国の判断になる。適用となれば、府民の皆さんに協力をお願いする」と記者団に語った。現段階で自ら宣言を要請する考えはないことも改めて表明した。

 吉村知事は、29日に政府側から大阪府への緊急事態宣言の適用を検討していると伝えられたと明かした。同日、西村康稔経済再生相と直接協議したという。政府が宣言適用を決定すれば、府は政府の基本的対処方針に基づき酒類提供の自粛要請などを検討する見通し。30日にも府対策本部会議を開き、対応策を決定する。

 ただ、吉村知事は軽症・中等症病床か重病病床のいずれかの使用率が50%に達した場合に緊急事態宣言を要請すると28日に発表したばかり。29日時点の使用率は、軽症・中等症病床が31・1%、重症病床は12・4%。

 これまでは、府の意向を踏まえて、政府が緊急事態宣言の適用・解除を検討することが多かった。しかし、今回は府の方針を飛び越え、政府が先行して宣言適用を検討する形となっている。

 吉村知事は29日、政府決定に基づいて対応するとしたうえで、立場の違いに言及した。「府民に協力をお願いするためにも、きちんとした基準を定めてやっていきたいというのが僕の考え方だ」

 大阪市松井一郎市長も、記者団に「緊急事態という言葉だけでは一人一人の行動の抑制につながらないのではないか」と述べ、宣言適用に慎重な姿勢を示した。(久保田侑暉、本多由佳)

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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