大学教授ら7人でつくる「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」が、ジェンダーの観点から見過ごせない2019年の政治家のワースト発言を決めるキャンペーンを30日から始めた。投票は来年1月9日までで、11日に結果を公表する。
候補に挙げられたのは全部で八つ。
少子高齢化問題に関して、麻生太郎財務相が2月、福岡県内の国政報告会で「年を取ったやつが悪いみたいなことを言っている変なのがいっぱいいるが、それは間違い。子どもを産まなかったほうが問題なんじゃないか」と述べた発言や、桜田義孝衆院議員(自民)が5月、千葉市内で開かれたパーティーで「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」と述べた発言がノミネートされた。
子どもを産み育てにくい社会のあり方や政治の責任に触れずに、少子高齢化の問題を個人に押しつけたり、個人の生き方の自由を脅かしたりしている点が問題とされた。
今夏の参院選からも「有力候補」があらわれた。
女性候補2氏による争いとなった福島選挙区で、増子輝彦参院議員(国民民主)が野党候補について述べた「ご覧の通り決して美人ではないが、非常にチャーミング」発言や、稲田朋美衆院議員(自民)が与党候補に述べた「自分と森さん(森雅子法相)の共通点は2人とも美人ということ」発言だ。安倍晋三首相が新潟での応援演説で述べた「お父さんも恋人を誘って、お母さんは昔の恋人を探し出して投票に足を運んで」発言もある。
ホームページには、なぜその発言に問題があるのかという理由や関連する記事なども掲載されている。
政治にかかわる人たちの問題発言への批判を「見える化」し、こうした発言が相次ぐ現状を変えたいと、一昨年から実施しており3回目。昨年の投票総数は3933票だった。
同会の皆川満寿美・中央学院大准教授(ジェンダー論)は「2020年はあらゆる差別の禁止を憲章に掲げるオリンピック・パラリンピックが東京で開かれる。この年末年始を機会に政治家によるジェンダー差別の問題発言について考え、差別を許さないという意思表明に参加してほしい」と話している。
投票は、フェイスブックページ(https://www.facebook.com/NOASEPS/
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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