教員の奨学金減免へ 文科省、概算要求方針 人手不足解消に

山本知佳

 深刻化する教員不足を解消しようと、文部科学省が、教員の奨学金返還を減免するため、必要経費を来年度予算案の概算要求に盛り込む方針であることが4日、わかった。対象者や減免のための条件などは検討中で、月内に制度の大枠を固める。

 文科省が公立小中高での教員不足の状況を各地の教育委員会に尋ねたところ、2023年4月始業日時点と前年同期を比べ、「悪化した」と答えた教委が4割に上った。23年度の教員採用試験では、全国12教委が、合格者数が採用見込みを割った。質の高い人材の確保に向け、文科省は教員の給与アップや学校の働き方改革の具体策について話し合っており、奨学金の減免も教員の待遇改善の一つと位置づける。

 過去には、日本育英会(現日本学生支援機構)が、03年度まで、無利子の奨学金を借りた人を対象に、教員などの職に一定期間ついた場合、奨学金の減免を行っていた。この制度を廃止した理由について機構は、採用試験の倍率の上昇などから人材確保の役割が薄れてきていることや、公平性の観点を挙げている。(山本知佳)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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