教育現場に向けられた「偏向」バッシング 背後にある政治的意図とは

 「教育は中立でなければいけない」。そんなことをよく耳にする。でも「中立」っていったい何なのだろう。「中立」の裏に政治的意図が隠されていることはないのか。大阪府の公立中学校で社会科を教えるベテラン教師、平井美津子さんに聞いた。

     ◇

 大阪府内の公立中学校で社会科を教えて約40年になります。戦争を体験した人たちが少なくなる中、戦争の実態をきちんと生徒たちに伝えたいと思い、授業では「慰安婦」問題や沖縄戦、基地問題などを取り上げています。

 大学の教職課程でも非常勤講師として教えています。今の学生たちは、普段からそう教えられているのか、「教師は中立でなければいけない」とよく口にします。中立って何なの、と聞くと「どちらにも偏らないこと」と言いますが、そんなことはありうるのでしょうか。

 私たちは日々、情報を取捨選択し生きています。個人的な好き嫌いもあります。「私は中立です」と言った時点で、偏っていることを覆い隠そうとしている気がします。

「両論併記」と歴史修正主義のワナ

 文部科学省学習指導要領で…

この記事は有料記事です。残り923文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment