福岡県直方(のおがた)市の中学校で2019年11月、2年生の男子生徒(14)が、体育の授業でハードルを跳ぶ際に転倒し、右足付け根が折れる重傷を負った。だが、体育教諭らがけがの程度を軽く見て、救急車を呼ばなかった。この時の経過を直方市教委が調査し、福岡県教委に提出した報告書を、朝日新聞が入手した。市教委は「対応に不備があった」と認めたが、当時何があったのか。
報告書は19年12月27日付。朝日新聞は開示請求し、文書が開示された。この報告書と市教委への取材によって、当日の詳細な状況が分かった。
19年11月18日の1時間目の体育の授業で、男子生徒はハードルを跳ぼうとして、三つ目のハードルで転倒。立ち上がれなくなった。
体育教諭は男子生徒に少し近寄り、「じゃま、早くどかんか」と言った。別の生徒らに「運んでやれ」と男子生徒をコース外に出すよう指示し、授業を続けた。
心配した周りの生徒らが別の教員を呼びに行った。駆けつけた3人の教諭は、男子生徒を何度か立たせようとした。男子生徒は「これ以上動かされると殺されてしまう」と感じた。教諭らは車いすに乗せて男子生徒を校舎へ運んだが、砂利道を通る際の振動などで男子生徒は再三、痛みを訴えた。
男子生徒は、連絡を受けた父親…
980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル