受託収賄容疑で逮捕された高校教諭が勤務していた福岡県立八幡南高(北九州市八幡西区)の教頭は2日、報道陣の取材に対し、「(教諭には)推薦入試に関する権限はなかった」と戸惑いを口にした。勤務態度についても「悪い素行を聞いたことがない」と話した。
同校の説明によると、推薦入試は例年1月末に願書を受け付け、2月上旬に面接と集団討論を実施。教頭を筆頭に数人の主任以上の教職員で構成する「選考会議」を経て、同月中旬に生徒に内定の通知が届く。正式な合格発表は3月の一般入試と併せて行う。教諭は主任や役職にはついておらず、部活の顧問が選考会議のメンバーとなることもないという。
同県教育委員会も「推薦入試は複数職員による選考会議を経ており、変な意図が働く余地はない。部活顧問には推薦枠も権限もない」と強調する。
同県立高校の推薦入試を巡っては、部活顧問が中学3年生や保護者に直接声を掛け、顧問から報告を受けた校長が合否判定で配慮する“青田買い”が常態化していたことが2010年に報道により表面化。県教委は14年度に部活顧問と中学生、保護者の接触を禁止する通知を出した。ただ、県高校教育課は対外試合などで個別接触する機会を「すべて把握するのは限界がある」と“抜け穴”があることも示唆。もし勧誘行為があったとしても、罰則などの明確な規定はないという。
また、高校の校長や部活顧問は中学校を訪問し、スポーツや文化活動など自校の特色にあった生徒を推薦してもらうよう広報している。部活顧問の意図が中学側の推薦に影響を与える可能性がある。
事件を受けて同校は2日夕、生徒向けの説明会を開催。参加した3年の男子生徒(18)は「自分は勉強して入ったのに、お金を使って入学できたとすれば許せない」と憤った。 (東祐一郎、前田倫之)
西日本新聞社
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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